Share the Windのあゆみ

「子どもたち誰もが通える小学校を造ろう!」と団体を設立したのは2012年11月。
候補地を決めにシェムリアップに降り立ったのが翌年2月。
当時、シェムリアップ市内の小学校は足りていましたが、
車で1時間も走ると民家の軒下で授業をする村や生徒数の増加により増築を必要としている、
また老朽化の問題を抱えている小学校が多くありました。

リエンポン村には村人たちでお金を出し合い土地を購入し、木造1教室の小学校が建設されていました。
訪ねた当時は、先生1名が2学年40名ほどの生徒を教えていました。
話を聞くと、3年生になると3キロ離れた隣村の小学校に通わなければならず、
自転車も普及していない中、まだ幼い子ども達にとって徒歩で通うのは困難で、
進学率も全体の僅か半分以下という状況でした。

学校建設開始時

カンボジアは午前と午後でクラスが分かれる2部制です。
そこで、木造校舎を含め2教室の校舎があれば6学年が通えるため、
この村に小学校を建設することに決めました。村人たちの力で最初の校舎建設をした事実から、
自分たちが受けることができなかった教育の機会を子どもたちにという強い願いを感じたからです。
SNSで発信して仲間を募り、毎月開催したチャリティーイベントやクラウドファンディングで
建設資金200万円を調達。
2013年11月に着工の運びとなりました。
およそ2ヶ月間に渡る建設期間、カンボジア人棟梁の指示のもと、
日本や諸外国からSNSに応え訪れたバックパッカーたち、村人たちやシェムリアップに住む日本人、
総勢91名の方々が建設に参加し、その輪の中に生徒たちも入り、
一緒に小学校をつくり上げていきました。
教室建設が進むと、郡の教育局は先生を3名に増やしました。

小学校建設作業の様子

さらに2020年1月には寄付により新たな校舎が増設され、
2021年現在では160名の生徒が9名の先生のもとに勉強しています。
幼稚園1クラス、図書室も加わり、子どもたちに朝食を提供するNGO団体の協力もあり、学びの環境が整ってきました。
リエンポン小学校は、先生や村人たちが協力し見守っています。
小学校の敷地内にあるShare the Windの工房兼オフィスも、
リエンポン村長・区長や先生や村人たちから特別に許可を貰い構えることができています。

* リエンポン村の名前の由来は、その昔村がまだ森だった頃、土地を開拓し狩猟採取
生活をしていた人々は、動物の内臓を近くの池で洗っていました。リエン(洗う)ポ
ン(内臓)という意味からこの村名になったとのこと。

* リエンポン村では、子どもたちの午後は各家庭で家事や牛の散歩、農業の手伝いに
当てているため、2019年より午前のみの1部制を取っています。
* 2021年現在では、中学校への進学は小学校卒業生の60%です。

授業の様子